テストの時、いつも思う。
何故、自分はもう少し頑張れなかったのか。
何故、自分は誘惑に負けて寝てしまったのだろうか。
まぁ、結局今思っても仕方ない事なんだけどさ。
「、テストどうだったー?」
「うーん…聞かないで欲しい…」
「……だよな…」
自分から聞いておいて、憂鬱になった。
苦笑いするを見て、オレも同じように苦笑いを浮かべる。
も真面目そうに見えて、あまり勉強していないタイプだ。
本人曰く、自分にとてつもなく甘いらしい。
「大丈夫だよね」と言い聞かせて、前日になって焦る感じらしい。
特に、の苦手な数学となれば、尚更だろう。
「現代文のほうがマシだったな、オレ…」
「数式とか…最早意味がわからない感じだよ…」
「明日の日本史何もやってねーよ…範囲すら曖昧だし…」
「日史の範囲、西郷さんがいっぱい出てくる範囲だよ」
「いや、微妙にアドバイスになってねーよ、」
ぼんやりと会話しながら、オレもも最悪だったテストを忘れ去ろうとしているのだろう。
後ろは振り返らない、明日は明日の風が吹く。
……非常に都合のいい言葉だ。
会話が途切れ、ふーっとの長い溜息が聞こえた。
ふと見やると、先程と同じように苦笑を浮かべて、独り言のように呟いた。
「18歳早々、やっちゃったなぁ…私は……」
「……は…?」
の言葉に、オレは固まった。
18早々…十八早々…じゅうはちそうそう…ジュウハチソウソウ……?
流石のオレでも、気付いた。
「、もしかして、今日誕生日…?」
「おー、本山君鋭いなー!そうだよ、今日誕生日ー」
いやいや、鋭くないし、普通わかるし。
突然舞い込んできた(?)の情報に、オレは若干戸惑った。
でも、言う言葉は一つ、だろ…?
「おめでと、」
のほうを見られず、無駄に時計を見つめながら、に伝える。
もうすぐ、昼だ。
そう言えば、ヤマちゃんと少しキャッチボールしてから帰るって約束してたっけ…?
ちらりとのほうを見ると、はバッチリこっちを見て。
オレとしっかり目が合ったと、満面の笑みを浮かべて言った。
薄々は勘付いてた
いや、実はもう、はっきりしている
オレは、相当、コイツが好きって…
妹尾の誕生日
オレの“おめでとう”は、ちゃんと、伝わった…よな?